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オーディオユニオン190609

 近日、メーカーと流通の立場が逆転しつつあるという。コンビニエンスストアのセブンイレブンは日本全国に巨大なフランチャイズ網を張り巡らし、POSシステムを以ってして、いつどの店でカップラーメンが何個売れたかを瞬時に本部が把握するらしい。メーカーが作った試作品のカップラーメンに駄目を出し、精度の高い顧客ニーズを進呈して、メーカーはそれに基づいて新製品を練り直す。コンシューマーとの窓口であることを武器に、いま流通がメーカーを伸すほどの勢いである。

 オーディオユニオン。マニアを魅了してやまない専門店だ。ホームページによれば、ディスクユニオンを含めたユニオングループとして首都圏17地区に50店舗を構える。従業員はアルバイトを含めて600人を超えるらしい。オーディオ&ビジュアルの販売に特化した流通グループである。

 ここに『ステレオサウンド』誌2004年4月号(No.150)がある。オーディオユニオンの広告ページを見ると、「オーディオユニオンお茶の水店新ビル、堂々オープン」と華々しく謳っている。随分と以前から、お茶の水の駅前に「audio union」の緑色のネオンが灯っていたような気がするが、そんな昔のことでもなかったようだ。いま街中を歩けば若者が黒地に「disk union」と赤文字で抜かれた商品袋をぶら下げているのを、必ずといっていいほど目にする。伸張著しい流通事業者な訳である。

 然らば納得もいく。

 さすがというほかなかった。いや思わずその場で「このアンプ、スピーカーとCDプレーヤーのセット、まるごと買います」と言いそうになった(いや買えたらどんなにいいことか・・・)
 コニシスのアンプTYR1213、TYR1214 ※6月3日付けブログとウィルソンオーディオのスピーカー<システム8 ※5月26日付けブログ>がペアになって、オーディオユニオンお茶の水店3階のハイエンドコーナーに設置されていたのだ。ユニオンのオーディオパッケージ提案力には脱帽である。別に金を貰っている訳でも何でもないのだが、オーディオユニオンに賛辞を送りたい。こういう組み合わせをさらっと商品陳列できるのは、どう考えたって心憎い。まずは音がどうこうなのではない。見た目のことだ。どうしてだか分からないが、オーディオ製品というのは工業意匠がどうしても二の次になる傾向が強い。そして、それに釣られるようにユーザーもオーディオ機器同士の“素材の質感”を揃えるとか、使用する空間の中での“色目”をコーディネイトするとかいったことには、概ね頓着しない。むろん、いい音を聴くことさえできれば他に撞着する必要はないのかもしれないが、僕はオーディオの亜流に立とうという者がゆえ、それには汲みできない。

 まず、音の前に“見てくれ”だ。

 コニシスアンプのサンドブラッシュ加工が施されたフロントパネルの“”とウィルソンスピーカーの高級車を塗装するのと同じレベルの設備で塗られたという“”は、見事にマッチしている。オーディオは組み合わせの芸術などと高らかに宣言する人もいるが、この二つを共に置いた時の“見掛け”は、間違いなく良い。こういうのを“センスが良い”というのだ。

 では、肝心の生まれいずれた音はどうだったのか。

 「ちょっとびっくりした」。言葉にすると何とも間抜けな表現ではあるが、驚いたのだ。なぜ両者を引き合わせたのか、オーディオユニオンの朝倉さんへ聞くと「コニシスのアンプに合うスピーカーを探してJBLなんかにつないだりしたのですが、あんまり合わなかったこともあって、たまたまウィルソンに変えたら“ドンピシャ”になった」とのことであった。偶然とは恐ろしいものだ。意図していないのに、ベストとも思える組み合わせになってしまう。夫婦みたいなものである。

 昨年のインターナショナルオーディオショーでもよく聞いた覚えのある『CAROL KIDD/ALL MY TOMORROWS』の7曲目「When I dream」が事の外、たおやかに聴こえた。生っぽいというか何というか、彼女は“そこにいる”のである(手嶋葵の時(※)もそう、“あそこにいる”という感じであった。アンプは違うけれど ※5月26日付けブログ)。ウィルソンの音像の定位というものも凄いのであろうが、それを支えて違和感なくドライブさせるコニシスもまたアッパレである。

 “こういう風な音を将来的には聴きたいなぁ”というのをずばっと出されてしまい、ちょっと困った一日となってしまった。


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System8の音、お好きなんですね。
ITSUNIREさん こんばんは。
先日は、コメント頂戴頂きまして、ありがとうございました。
ITSUNIREさんのBlogを拝見させていただきますと、System8の音がお好きなことが分かりますね。
私の周りにもSystem6,7,8をお持ちの方がいらっしゃいます。
私が知る限りでもWilson使いの方は、ざっと10人はいらっしゃいます。
それだけ日本の住宅事情にあったSPなのでしょう。
他のハイエンドのSPに比べるとサイズは小さいですが、超低域から超高域までを広大に鳴らすしてくれます。
我が家も7畳程度で限界はありますが、それでも壁を突き抜けるように音が広がってくれますので、鳴らし甲斐がありますよ。
オーディオユニオンなどにも足を運ばれてらっしゃるようですので、お近くかも知れませんね。
拙宅は横浜です。
もしお近くで、宜しければ、遊びにお出で下さいませ。
ハンコック URL 2007/06/13(Wed)23:17:24 編集
ハンコック様
拙ブログをご覧頂きまして有難うございます。

ウィルソンは非常に興味のあるスピーカーです。

私のように、戦費に乏しく戦歴も浅い細腕には、システム8は”まだまだ早い”と自ら言い聞かせています。

当方は荻窪・吉祥寺方面でございます。
ITSUNIRE URL 2007/06/14(Thu)17:22:45 編集
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