□福岡珍道中＜5＞ 7月22日（日）晴れ

　寝台特急『はやぶさ』の人となった。



　博多で『5分』間に合わなかった。半分、覚悟をしていた。



　初めて乗ったが、B寝台はなかなか凄い。チープだ。



　広島だ、22時36分。いつになったら東京に着くのだろう。



　05時21分。朝、目を醒ますと、もう名古屋だった。随分しっかりと寝たものだ。



　東京に着いた。10時01分、一体何時間お前に牽引してもらったというのか。挨拶せずにはいられない。



　すっかり俺も鉄道マニアの端くれだ。しっかりと写真をおさえる。



　さらば、はやぶさ号！俺は少しだけ逞しくなって、東京に舞い戻った。

>>福岡珍道中＜完＞

□福岡珍道中＜4＞ 7月21日（土）曇り

　俺は彼を見つけてしまった。やつだ、エリック･ドルフィーだ。対のスピーカーの間に、椅子に座って佇んでいる彼を。



　やはりどうしても、『LAST DATE』を聴かねばなるまい。時間はないのだ。掟破りなのかもしれないが、曲をすっ飛ばして”YOU DON'T KNOW WHAT LOVE IS”をかけてもらった、こちらも必死なのだ。



　ジャズ喫茶のマスターがレコードをかける姿というのは、様になっていなけりゃ話しにならない。

　ただ今の時刻、18時20分。54分発の新幹線に乗るには、相当に厳しい戦いを強いられている。



　新幹線には乗った。



　新山口で電車を降りた。

　
>>第5話「福岡珍道中＜5＞」に続く。

□福岡珍道中＜3＞ 7月21日（土）曇り

　マイクロを改造したプレーヤー。気合が漲っている。



　ベルウッドランシングのアンプ群。



　レコードは1000枚収納されている。スイングジャーナルのバックナンバーも整然と並べられている。



　JBLのユニットに、ベルウッドランシングの箱を纏わせたスピーカー。

　ただいまの時刻18時07分。新幹線が博多を出発するのが18時54分。

　果たして間に合うのか？

□福岡珍道中＜2＞ 7月21日（土）曇り

　博多の屋台。地元の人はあまりいかないようだ。観光客向けの事業ということである。



　仕事を終えて、梅林のジャズ喫茶『AMAMS』へ向かった。
天神南から七隈線で11駅、結構遠い。店のマスターに道案内をしてもらって何とか到着。『analog』誌にあった通り、本当に住宅街の外れにある。



　これかな？



　あ、ここだ！




>>第3話「福岡珍道中＜3＞」に続く。