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オーディオユニオンの1階に『禁断の惑星』からやって来たクレル(KRELL)のインテグレーテッドアンプKAV-400xiが陳列されていたので、同じく販売中であった4311Bにつないで鳴らしてもらった。
栄華を誇ったモニタースピーカーといえど、30年前のいわばオンボロ品である。かたや、わずか数年前の技術の粋を凝らした現代先端アンプが4311をドライブすると、果たしてどんな音になるのか興味津々であった次第。
何枚か試聴のためにCDを持参し、まずはミルト・ジャクソンの『サンフラワー』を聴く。別段、オーディオテスト用として重宝するということではなく、単に好きだから幾度も聴いて各々の楽器がどんなメロディーを奏でているか分かっているという音盤だから、マイチェックディスクという訳だ。
中でも「ピープル・メイク・ザ・ワールド・ゴー・アラウンド」は、ジャズが持つ夜騒的な妖しい雰囲気をどのくらい表現できるか判断するのに好都合である。
しばし聴き進めると、がーん、品行方正、大人のサウンドであった・・・。
書斎で書き物でもしながら、背後に流してもいいようなノーブルな音!紛れもなく「いい音」なのであろうが、当方には大人び過ぎていた。畢竟、こちらは音が元気よく前に飛び出して来て欲しいのだ。言い方が正しいかは分からないが、もっと「安っぽく」て構わない。
すると、いま4311を我が家で鳴らす47アンプ(シガラキ)というのは、なかなかの優れものであることに改めて気がつく。決して47アンプが安っぽい音を出すなどと言っているのではない(そんなことを申し上げたら吉祥寺から石が飛んで来るに違いない)。
クレルのアンプは朗々と4311を鳴らし、47アンプは華美な装飾をせずにストレートに4311を操っているということだ。クレルの音の厚みとか低音のゆったりした具合は、4311ではなく、より鳴らしづらい難しいスピーカーにこそ合っているのだろう、何もJBLの4311と組み合わせることもないか、というのが正直な感想であった。
そして思う、47アンプは清廉を志向しているのではないかと。清廉とは、心が清らかで私欲のない様のことである。小川のせせらぎのように俊敏で澄んだ音は、虚飾を拝して清らかさを目指したから出るのに違いない。身の丈にあった価格で、スペースユーティリティーに秀でて洒落たデザインの小型アンプというのも、他を探そうとすると以外に見つからないものである。
* * *
その足で神保町のBIGBOYへ行くと、今日はジミー・スミスDAYであった。「ジミー・アンド・ウェス」や「スモールズ・パラダイスのジミー・スミス」がかかり、大音量に思わず仰け反った。心地のいい音圧を全身に浴びて、さて再び4311に巡り合わせるアンプを、あーでもない、こーでもないとマスターと話しているうちに、日も暮れて来た。
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と言っても、ただ単に古いものをこそ崇拝するというのも芸がないとも思う。これまでに面々と開発され、継承されて来たオーディオの製品や歴史に敬意を払いたいというのが、僕の心持ちだ。
我々のいる現在という立ち位置は決して唐突に現れたのではない。今までに多くの人が夢を賭したり頭を悩ませた来た、その歴史があってはじめて「今のオーディオシーン」が現れて来ると思うのだ。盲目的に現在の製品ばかりに目を奪われていると、なぜそのようなプロダクトが生まれて来たのかということを捉えにくい。
そしてまた、昔のオーディオ装置に触れると、失くしてしまったこと、進化を遂げて新たに獲得したことの両方を理解できるのではと考えている。
明日という訳にはゆかないだろうが、JBLの4311に現代の技術の粋を集めたようなアンプやプレーヤーをあてがってやりたいと夢想している。例えば同じくメイド・イン・アメリカの大出力アンプに、4311がびっくりして身悶えする姿を想像するのは実に愉しいものだ。
我々のいる現在という立ち位置は決して唐突に現れたのではない。今までに多くの人が夢を賭したり頭を悩ませた来た、その歴史があってはじめて「今のオーディオシーン」が現れて来ると思うのだ。盲目的に現在の製品ばかりに目を奪われていると、なぜそのようなプロダクトが生まれて来たのかということを捉えにくい。
そしてまた、昔のオーディオ装置に触れると、失くしてしまったこと、進化を遂げて新たに獲得したことの両方を理解できるのではと考えている。
明日という訳にはゆかないだろうが、JBLの4311に現代の技術の粋を集めたようなアンプやプレーヤーをあてがってやりたいと夢想している。例えば同じくメイド・イン・アメリカの大出力アンプに、4311がびっくりして身悶えする姿を想像するのは実に愉しいものだ。
ジャズ喫茶風に、薄明かりの中でJBL4311Aを浮かび上がらせる。照明は昭和50年代の古めかしいナショナル製のものだ。スピーカーと照明を同じような年代で揃えた訳である。性能を追求するばかりではなく、雰囲気とかアナログな温かみのようなものを大切にしたいと思っている。軍資に欠けるから最新鋭の機器を導入し続けたり、取り揃えることもかなわない。しかし、悪いことばかりではない。そもそも音楽を聴くためのオーディオ装置なのだから、それなりの雰囲気というものは必要に違いないからだ。
30年も前の製品がこうやって現役で活躍してくれると、何だか分からないが「世知辛い世の中だけれど、捨てたもんじゃないな」という気分にもなる。
JBLから出てくる音は確かに古めかしいところもあるのだが、ジャズやソウルはとてもエネルギッシュだ。「音が前に出てくる」という表現の意味もよくわかるし、僕がよく聴く60年代、70年代のこのジャンルの音楽では、たまらない独特な魅力というものを醸し出す。
ロニー・ジョーダンは、ファンクバンド「ウォー(WAR)」の中心的人物でキーボード奏者である。1970年代のベトナム戦争が泥沼化するアメリカで、「世界はゲットーだ/ザ・ワールド・イズ・ア・ゲットー」などメッセージ性の高い楽曲がヒットし、ご存知の方もいるかもしれない。
今月3日に東京コットンクラブで行われた初日のライブは、冒頭でファンクナンバーを4曲立て続けに演奏して、黒人の音楽文化に根差した“確かなファンク”というものを聴かせてくれた。からっと晴れた青空の下、照りつける太陽の光をいっぱいに浴びたような陽気さに溢れたライブであった。ピアノは踊り、ベースはうねり、ドラムは楔を打って、それぞれが粘っこく黒光りした“ファンクの醍醐味”を堪能した。
アンコールの1曲を含めた全9曲のうち、伝統的なモダンジャズを後半に4曲も盛り込んで聴衆をあっと驚かせたのだが、「ウォー」のヒットメドレーを期待していた人にとっては、肩透かしを食ったようなところもあるだろう。しかし、“ストレート・アヘッドなジャズ”をこのバンドに弾かせたら結構いい線を行くのではないか、と思わせたところでスタンダードなジャズナンバーを披露し、彼はジャズピアニストとしての腕も一流であることを示した。
“スーツケース型の電子ピアノ (フェンダー・ローズ)”を弾けばハモンドオルガンの名手ジミー・スミスが思い起こされたし、“瀟洒なアコースティックピアノ (スタインウェイ)”を奏でれば当代随一のハービー・ハンコックがごときジャズの手練みたいに腕を奮ったのには全く驚いた。
例えるなら、分厚くコッテリとした味が売りの昔懐かしいハンバーガー(ファンク・ミュージック)を食べに、彼がオーナーシェフを務める店に行ってみた。すると、スタッフのコックやバーテンダーであるベーシストとドラマーも腕利きで、ハンバーガーを食べた後に古式ゆかしい蒼色のカクテル(ジャズ)まで出されて驚き、料理も酒も美味い、上手い、と唸ったという具合だ。
料理様式たる音楽ジャンルの調合、献立たる曲目の進め方、食材の下ごしらえたる編曲の丁寧さ、調理技術たる演奏の腕前、そのいずれもが一流であった。
ブラック・ミュージックは、ファンクばかりでなくジャズ、リズム&ブルース(R&B)、ソウル、フュージョン、ヒップホップと様々なジャンルが生まれ、進化を遂げて来た。この系譜というのは、同じ祖先を持つ近しい従兄弟同士として互いが互いに影響を与えて来たことなのだ、とピアノを通じて語りかけているようでもあった。
「ウォー」の代表曲を集めた「ウォー・ストーリーズ」は12月に発売予定である。
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