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今年も残すところあと僅か。皆さんにとって、この一年で最も面白かった本は何でしょうか。
忙しさにかまけていると、とかく書籍文庫を手にする機会が少なくなって反省することしきりですが、私がダントツとして挙げるのは『世界の言語入門』(黒田龍之助、講談社新書)。
本書の魅力を簡単に言ってしまうと、一生耳にすることはないであろうマイナーな外国語を実に興味そそる言語として書き綴っているところで、とりわけ話者の少ない小言語に対する著者の格別の関心と愛情がチャーミングなのだ。
弱小言語を慈しむ。まるでピグミーモンキーやミニチュアピンシャーといった小さき動物か、はたまた古伊万里の小皿でも愛でるように、稀少な異国の語を想う。そういえば我々は最近、マージナルなるものへの優しく温かい目線というものを忘れかけてやしないだろうか。だから著者のスタンスはとても新鮮に感じるし、啓示的とも受け取れる。
ところで、我々が例えばオーディオ装置や宝飾類に拘り、そして所有して喜びとするのと同様に、黒田氏の場合はその対象が言語であるように思えてならない。つまり言語パラノイア、言語蒐集家だ。
それもそのはずで、著者は大学で言語学を教える先生。専門のロシア語のほか、ウクライナ語、ベラルーシ語の教科書を執筆する専門家で、知悉するスラブ諸語以外の個別語への造詣もたいへん深い。
本書は五十音順に90の言葉が見開き2ページでそれぞれ紹介されていて、文章が平易で読み易いのがいい。来年の『講談社エッセイ大賞』はこの本に違いないと個人的には予想している。最後に本書に取り上げられた言語のうちの一部を記載しておこう。
西アフリカはセネガルやモーリタニアで話される<<ウォロフ語>>、南アフリカで喉の奥で空気を止めてから“ポコン”と出す放出音を有する<<コサ語>>、能格という謎の格を持つ小言語<<バスク語>>、世界一難しいと言われ、いま国家存続の危機に立つ<<アイスランド語>>、旧バルト三国の<<エストニア語>>、<<ラトヴィア語>>、<<リトアニア語>>などなど…。
つくづくマニアックだなー。
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