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昨日は小雨の降る中、某オーディオ雑誌の編集長をされているKさんと学芸大学にあるコニシス研究所を訪問した。その雑誌の前回号で、小西さんのインタビュー記事が掲載されたこともあって、お伺いする運びとなった。
まずは、地下のコニシススタジオでしばし歓談。
今のオーディオシーンは、団塊世代の方々が戻って来つつあって元気を取り戻している、特に雑誌は調子がいいとのことだ(羨ましい限りで、新聞はいま絶不調で風邪をこじらせた老体はもう治る見込みがない、という話が業界で再び蔓延しています)。誌面に対する読者のレスポンスも上々らしい。しかしメーカーや流通は、まだ市場縮小の流れに喘いでいる。つまりオーディオに対する“関心”は戻って来たが、製品の“消費”やマーケットの“広がり”までは至っていないということだ。
そんな話をしながら、そこら中に無造作に置かれているプロ用の業務用機器について話題が移った。スチューダーのたくさんのメーターがついた機械を見て、オールドマークレビンソンに似ていると申し上げると、何とその機械の中身、つまりアンプ部分はレビンソンが作っていたのだという。スイスは時計産業で培った精密技術がゆえに、例えばボリュームの削り出しなどのメカの精度は素晴らしく高い。しかし、アンプの回路はあまり得意でなかったようで、レビンソンが請け負っていたのだ。
従って、レビンソンはプロシューマ-、コンシューマー両方を手掛けていたということか。いやむしろ、小西さんによれば、傑作といわれる『LNP-2L』もそもそもは、レコーディングの場面で録音ダビングなどに使えるような業務用の設計になっており、民生向けの製品ではなかったという。それを民生として使い出したのは日本のオーディオファイルであったという訳だ。
目から鱗の話を聞かせてもらって、僕は今回の訪問で一番の目的を果たすよう、そぞろ動き始めた。スタジオに設置されたJBL4311の音を聴くことだ。もともとは録音スタジオで使われることを想定して作られたスピーカーなのだから。果たしてプロのレコーディングスタジオで4311はどんな音で鳴っているのか。これをどうしても確認したかった。自分の4311と何が違うか、どこが同じなのか。
何でも小西さんがスタジオ事業をスタートさせた25、26歳の頃に、新宿のオーディオユニオンで購入したという。右も左も分からない時分に、スタジオをやるならスタジオモニターが必要だ、ということで手に入れたらしい。今ではプロ向けの機材を扱う様々な専門業者とのパイプがあるので、まさかオーディオユニオンで機材を買うことはないとのことだが、そういう昔のスピーカーがいまだに現役で活躍しているというのは、とても微笑ましい。
コニシスのスタジオに設えられた4311は年季が入っていて、仕事のできる職人みたいな肌艶をしていた。そしてまた、出て来た音にはガッツがあって、ずんずんと音が前に出てJBLらしさ満載という感じで、我が家と同じ音の傾向で安心した。同じスピーカーだから当たり前と言うなかれ。もしかしたらスタジオの4311はクラシックもよく鳴らしてしまうのではないかと思っていたのだ。しかし、シベリウスを掛けたら、これは僕の4311と同じように上手くは鳴らなかったので、安心したのだ。つまりはロックやジャズに向いたスピーカーなのだ。いずれにしても、素人というのは何でも確認しないと心が落ち着かないから大変だ。
スピーカーは壁面に埋め込まれ、わずかに前傾していた。音を大きくすると、壁ごと鳴らす豪快さで、壁もフロントバッフル面と化す。「やっぱりスタジオモニターというものはこうでなくっちゃ」と思う。この様子を見て、小宅のコンクリートの壁をぶち抜く決意を固めたことは言うまでもない。
さて、夜飯を食いに行くことになった。小西さんは普段から明るい性格だが、アルコールが入ると更に明るく饒舌になる。僕も負けじと、“イイチコ”でどくどくと燃料を注入した。席が終わる頃にはだいぶん酔っ払っていた。一回り上の先輩諸兄に失礼がなかったか気になるところではあるが、まああったとしても仕方あるまい。特に、理知的で紳士な印象のK編集長に呆れられてやしないか、非常に危惧するところなのであるが、しかしそういったことが心配なら酒は飲まない方がいい。いつまでもそんなことは言っていられないが、酒は呑まれてナンボである。
今日は頭が痛い、二日酔いのようだ。
まずは、地下のコニシススタジオでしばし歓談。
今のオーディオシーンは、団塊世代の方々が戻って来つつあって元気を取り戻している、特に雑誌は調子がいいとのことだ(羨ましい限りで、新聞はいま絶不調で風邪をこじらせた老体はもう治る見込みがない、という話が業界で再び蔓延しています)。誌面に対する読者のレスポンスも上々らしい。しかしメーカーや流通は、まだ市場縮小の流れに喘いでいる。つまりオーディオに対する“関心”は戻って来たが、製品の“消費”やマーケットの“広がり”までは至っていないということだ。
そんな話をしながら、そこら中に無造作に置かれているプロ用の業務用機器について話題が移った。スチューダーのたくさんのメーターがついた機械を見て、オールドマークレビンソンに似ていると申し上げると、何とその機械の中身、つまりアンプ部分はレビンソンが作っていたのだという。スイスは時計産業で培った精密技術がゆえに、例えばボリュームの削り出しなどのメカの精度は素晴らしく高い。しかし、アンプの回路はあまり得意でなかったようで、レビンソンが請け負っていたのだ。
従って、レビンソンはプロシューマ-、コンシューマー両方を手掛けていたということか。いやむしろ、小西さんによれば、傑作といわれる『LNP-2L』もそもそもは、レコーディングの場面で録音ダビングなどに使えるような業務用の設計になっており、民生向けの製品ではなかったという。それを民生として使い出したのは日本のオーディオファイルであったという訳だ。
目から鱗の話を聞かせてもらって、僕は今回の訪問で一番の目的を果たすよう、そぞろ動き始めた。スタジオに設置されたJBL4311の音を聴くことだ。もともとは録音スタジオで使われることを想定して作られたスピーカーなのだから。果たしてプロのレコーディングスタジオで4311はどんな音で鳴っているのか。これをどうしても確認したかった。自分の4311と何が違うか、どこが同じなのか。
何でも小西さんがスタジオ事業をスタートさせた25、26歳の頃に、新宿のオーディオユニオンで購入したという。右も左も分からない時分に、スタジオをやるならスタジオモニターが必要だ、ということで手に入れたらしい。今ではプロ向けの機材を扱う様々な専門業者とのパイプがあるので、まさかオーディオユニオンで機材を買うことはないとのことだが、そういう昔のスピーカーがいまだに現役で活躍しているというのは、とても微笑ましい。
コニシスのスタジオに設えられた4311は年季が入っていて、仕事のできる職人みたいな肌艶をしていた。そしてまた、出て来た音にはガッツがあって、ずんずんと音が前に出てJBLらしさ満載という感じで、我が家と同じ音の傾向で安心した。同じスピーカーだから当たり前と言うなかれ。もしかしたらスタジオの4311はクラシックもよく鳴らしてしまうのではないかと思っていたのだ。しかし、シベリウスを掛けたら、これは僕の4311と同じように上手くは鳴らなかったので、安心したのだ。つまりはロックやジャズに向いたスピーカーなのだ。いずれにしても、素人というのは何でも確認しないと心が落ち着かないから大変だ。
スピーカーは壁面に埋め込まれ、わずかに前傾していた。音を大きくすると、壁ごと鳴らす豪快さで、壁もフロントバッフル面と化す。「やっぱりスタジオモニターというものはこうでなくっちゃ」と思う。この様子を見て、小宅のコンクリートの壁をぶち抜く決意を固めたことは言うまでもない。
さて、夜飯を食いに行くことになった。小西さんは普段から明るい性格だが、アルコールが入ると更に明るく饒舌になる。僕も負けじと、“イイチコ”でどくどくと燃料を注入した。席が終わる頃にはだいぶん酔っ払っていた。一回り上の先輩諸兄に失礼がなかったか気になるところではあるが、まああったとしても仕方あるまい。特に、理知的で紳士な印象のK編集長に呆れられてやしないか、非常に危惧するところなのであるが、しかしそういったことが心配なら酒は飲まない方がいい。いつまでもそんなことは言っていられないが、酒は呑まれてナンボである。
今日は頭が痛い、二日酔いのようだ。
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無題
こんばんは。
興味深い訪問ですね。コニシスはフェアでいつも気になっていました、あの赤い薄い筐体でものすごい値段なのでどんなものなんだろうと。。
自宅からこの会社近そうなので私もいつか聞きに行ってみたいと思いました。
興味深い訪問ですね。コニシスはフェアでいつも気になっていました、あの赤い薄い筐体でものすごい値段なのでどんなものなんだろうと。。
自宅からこの会社近そうなので私もいつか聞きに行ってみたいと思いました。
bydさん
TYRというアンプは何とか手が届きそうな価格帯です。私は低域のグリップ力に優れたアンプだと思います。
ディナウディオが試聴会をする際に、アンプを貸し出したりされているようです。鳴らしにくいスピーカーをドライブする力があるのかもしれません。
ディナウディオが試聴会をする際に、アンプを貸し出したりされているようです。鳴らしにくいスピーカーをドライブする力があるのかもしれません。
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