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『ファンク・オールスターズ』が来日し、東京ミッドタウンのビルボード東京で23日、ライブ演奏を行った。ファンクの帝王、ジェームス・ブラウン(JB)のステージを支えた、フレッド・ウェズリー(トロンボーン)、ピー・ウィー・エリス(テナーサックス)のホーンセクションに加えて、ハモンドオルガンの大御所、ロニー・スミスとロドニー・ジョーンズ(ギター)、アイドリス・ムハマド(ドラムス)というバンド構成。
1曲目は、落ち着いた感じのジャズファンク。来日後、初回のステージで慣らし運転なのであろうが、さすがにベテラン揃いだから、黒く粘っこくこなれた演奏。
2曲目はハンク・モブレー・セクステッド『タッチ・アンド・ゴー/touch and go』をファンクの味付けをして披露。トロンボーンもテナーも、ソロは完全にジャズのコード進行。ドラムがファンクらしいビートを刻む。バンドにベースがいないのに、通奏低音が聴こえて来る。よく見ると、贅沢にもロニー・スミスがベースラインを奏でている。ハモンドのB3と思しきオルガンの上に、コルグのシンセサイザーかシーケンサーがひょこっと乗っていた。これでベースの音に変換していたのかもしれない。ハモンドオルガンならではの音をもっとソロで弾いて欲しかったが、おそらくベーシストが事情があって帯同できなかったのであろう。
3曲目はビートルズの『カム・トゥギャザー』。照れ隠しのような笑いを携えて曲を紹介。日本人には馴染みの深い曲であり、会場もやおら盛り上がって来た。
4曲目にやっとJBと思しきナンバー。観衆は待ってましたとばかりに、手拍子を始め、ビートに合わせて体を揺らし出す。ファンクというのは人を楽しませる音楽だ。事前に演奏の曲を知らなくとも、自然と笑顔がこぼれる。
昨年の冬に、同じくファンクバンド『ウォー(WAR)』のキーボード奏者、ロニー・ジョーダンのステージ( ※11月20日付けブログ『●[18]ロニー・ジョーダン来日コンサート』 )でも感じたことなのだが、ファンクの手練はジャズを弾かせても実に上手い。そしてまた、JBのファンクナンバーを期待していたファンには、物足りない感じになってしまう。私は個人的にはジャズもファンクも両方いける口なので満足するのだが、ジャズの曲はいいからファンクばかりで構わないという人の方が本ライブでも多かっただろう。
いずれにしても、ビルボード東京を初めて訪れれば、これは必ず驚くはずだ。ステージの後ろの窓ガラス越しに、六本木ミッドタウンの夜景が一望できるからだ。行ったことはないが、さながらニューヨークマンハッタンの高層ビルの中のようなアーバンな洒脱さを持つライブ会場だ。8月に1周年を迎える。
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