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山野楽器に置いてあって、買い求めたユッカ・エスコラの新譜、『WALKOVER』。フィンランドCAFEを主催するフィンランド政府観光局の方も、クラブジャズが好きな後輩の奴も、”ユッカ・エスコラはお勧めですよ”と前に言っていた。
果たして、ジャケットには「『21世紀のCTI』をテーマに、ジャズ、フュージョン… …多様な音楽をスタイリッシュに包み込んだ、21世紀型ジャズの定番!』とあって、リスペクトしているというフレディー・ハバードそっくりのフリューゲル・ホーン、トランペットを披露している。
ストリングスやフェンダーローズを有効に駆使して70年代テイストをうまく表現している。だが、CTI風といっても、だったらCTIを聴くよ、と言いたくなるのであって、聴いてからしばらくは耳を慣らすことが必要だ。そうすれば、この『CTIの新譜』を気に入ることになろう。
1978年生まれと若く、シベリウスアカデミーに進んだというから、さながら日本でいけば東京芸大卒のジャズトランペッターというところか。そういえば、京都大学工学部に入学し文学部を卒業した近藤等則氏は一時期、アウスレーゼのCMなんかに出演して、オシャレJAZZミュージシャンの道を歩んでいたが、最近では哲学者みたいな風貌で、『地球を吹く』とか随分難しいことをやっている。いらぬ(的を得ない)心配かもしれないが、エスコラ氏には真っ当な成長を遂げて欲しいと願っている。
なぜなら、『ジャズ』と『クラブジャズ』のあやふやな地平の上に立ってトランペットを吹いていくことが、これから先も続くのであろうから。そんなジャンル分けなど、吹き飛ばして欲しいと思うし、彼なら楽勝なのかもしれないけれど。
JUKKA ESKOLA/WALKOVER/TACS RECORD/2009
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