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オーディオ、音楽、建築のほかメディア評、書評や日々の雑感など、ジャンルごった煮でお届けしています。
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■▼『男の書斎』の変遷【写真あり】
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[2007/08/03] ●[10]地下のカオス (No.59)
[2007/07/31] 地下政権の危機 (No.58)
[2007/06/22] ◆【03】レコードラック (No.38)
[2007/06/18] インテリアとしての照明 (No.33)
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静寂の間190802

 地下のオーディオルームが大変な混乱に支配されている。秩序ある集合を否定し、自由奔放な離散を荷物たちが支持している。この様相に最もふさわしいバックグランドミュージックは、マイルスの『ビッチェズ・ブリュー』に違いない。

 ダンボール箱の山陰に身を潜めながら、幽玄なマイルスの調べを聴く。やむなく設定されたカオスの中に身を置いて、つい一昨日くらいまでのそこそこに整理された部屋の状況を思い出す。マイルスが、築き上げた以前の作品世界を自らいつも打ち壊して、次なるステップへと猪突猛進したことに思いを馳せてみる。

 坊や、一処に留まるもんじゃないぜ。

 格好付けのおっさんが濁声でドスを利かせた。

静寂の間190802_2




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静寂の間190730_2

 自民党の参院選での歴史的大敗に呼応するように、我が政権の基盤たる地下のオーディオルームも“カビ”に侵食され、瓦解寸前である。

 何となく感づいてはいたのだった。あえて放置していたという訳でもない。昨年の冬から新居に住み始め、半年を経て入梅した。当然なのだが、外部環境は目まぐるしく変化を続けている。“美しいコンクリート打ち放し”にとって、梅雨は他でもなく大変厳しい外的自然条件だ。“コンクリート打ちっぱ”は、確かに見た目は格好が良い。しかし、乾いて真の完成を迎えるまでに相応の年月を要する。しばらくの間、その構成要素にそもそも含まれる“水分ら”が好き勝手に暴れる。外観の美麗さとは裏腹に、除湿機をがんがん回して強制的に湿気を収容するとか、扇風機でどんどん水気を屋外に追いやるとか、仕事のできるスタッフがばりばりと実務をこなして手助けしないと単なる理想物と化してしまう。トップリーダーによるしっかりとした統制、管理が必要なのだ。

 荷物を段ボールに入れて、壁に沿って平積みしていた。それから結構な量の書籍、雑誌を無防備に壁に這わせていた。さすがにこれは湿気にやられることを予想して、スノコを壁一面に設置した。むろん、何より大切なレコードが入ったラックの後ろ側にも忍ばせた。除湿機、扇風機も使用してはいた。しかし、結果的には抜本的な施策を施していなかったことになる。

 緑、茶、白。色鮮やかなカビが跋扈し、スノコには菌糸がかかり、段ボールに入れておいた鞄にはキノコが生え、ヤナギサワのアルトサックスが入ったケースには雨に濡れた後の車のような斑点が浮き出ていた。

 惨敗だ。

 徹底した対策が必要だ。求められているのは“反省”ではなく、カビ退治の“具体的なアクション”である。早速、東急ハンズへと車を飛ばし、エタノールと新たな段ボール、スノコを購入し人心を一新した。当面、部屋のインテリアがどうこう、などと腰高なことは言っていられない。全ての荷物を壁から離した。まるで引越して来た時と同じような混乱が“静寂の間”を支配している。仕方あるまい。

静寂の間190730

 この土日は、2種類のTMD入門ケーブルとZucable『Wylde』を、CECのCDプレーヤーと47アンプの間に結線して比較試聴しようと悠長に構えていたが、世の流れに感応してそれどころではなくなってしまった。



静寂の間_190619


静寂の間_190619_2


静寂の間_190619_3


 レコードがラックに並ぶ様というのは、本当に心落ち着く光景です。





昭和レトロ_照明

 この三つの照明は、いずれも1980年代の卓上スタンド式のものだ。地下の“静寂の間”は精神をスタビライズさせるための空間だから、いまどきのエッジの立ったデザインの照明器具は似つかわしくない。墨汁で塗られた黒い床とコンクリート打ち放しのシンプルなスペースは、何故だかとても柔らかな印象を与えてくれる。空間の構成要素としてはシャープであるにも関わらず、引き算の美学というか日本的な建築手法に近いからなのかもしれないが、簡素がゆえに迫って来る感じがしない。

 僕が憑き神に追われるようにアナログレコードに精を出すのも、日常の由無し事にまみれてクタクタになった心をこの場で安寧に導こうというコンセプトから言えば自然なことだ。数値特性や技術的な進歩の度合いからすれば、明らかにレコードよりもCDの方が上であるはずなのに、音に“癒される”のはどうしたってアナログが勝る。音楽がしなやかで優しく聴こえる。マイルスの、あの激しい『フォア&モア』だって、空間のそこかしこに楔を打ち込んではいるけれど、聴いた後にささくれ立った心持ちは不思議と落ち着く。

 そういう在り処だから、ポンコツでやれてはいるが、この昭和モダンな照明は心の奥底の薄暗いところもたおやかに照らしてくれる。


●関連ブログ(過去ログ)
『インテリアとしてのBICYCLE』
→6月7日付けブログ


●関連ブログ(過去ログ)
『ルームアコースティックとインテリアとしてのオーディオ』
→6月5日付けブログ




※やっぱり、こういう空間をさらっと用意する杉浦伝宗という男は、なかなかだと思う。やるなぁオデン。


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