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オーディオ、音楽のほかメディア評、書評や日々の雑感など、ジャンルごった煮でお届けしています。
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■■ブログ読み物風
[2017/09/21] [PR] (No.)
[2008/08/14] グルジア情勢 (No.152)
[2008/07/20] 周縁のジレンマ (No.148)
[2008/05/11] ●[37]オープンリールデッキの謎 (No.132)
[2007/11/20] ●[18]ロニー・ジョーダン 来日コンサート (No.93)
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 私は外事の専門家でもないし、ロシア語に堪能な訳でもなんでもないので、単なる一考察ということを始めにお断りした上で、グルジア情勢について考えてみる。
 
 一体どの新聞が一番的確なグルジア情勢の分析を行っているか、比較して読みこなしたのではないが、ロシア語に通じ今後ジャーナリストとして頭角を現すであろう記者のブログを参照されたい。現時点においてまだ日本国内で報道されていない、両国外務省の発表から会戦に至るまでのステップを詳らかに掲載している。
 
 http://sasakima.iza.ne.jp/blog/
 
 これによれば、大臣クラスまた政府高官レベルで両国は事前にやり取りを行っている。何の前触れもなくロシアはグルジアに攻め入ったということではまずはないらしい。

 また重要なのは、北京五輪開催時にこうした事態になったのは、2014年のソチ冬季五輪が関連しているということ。ロシア領内のリゾート地、ソチでの開催にグルジアは反対している。そしてこのソチは、南オセチア自治州を含めてグルジア内に3つある<親ロシア地域>の一つであるアブハジア共和国のすぐ西に位置している。

 なかなか複雑であるが、それぞれの位置関係は世界地図をひっぱり出してご覧頂くとしよう。

 さて第一次世界大戦以降、今に至るまでヨーロッパの火薬庫と称されるバルカンに続いて、このカフカスが次なるホットゾーンと目されるが、このエリアでの紛争について、国家または諸民族間の何より言語の違いが争いの前提条件として横たわっているものと思われる。

 『世界言語地図』(町田健著、新潮新書刊)は、かなり的確かつ簡潔にこの地域での政情不安定の要因が<言語的相違>にあると先に指摘している。

 グルジアが属するカフカス地方は、全体の面積が日本の約1.2倍程度しかない狭い地域であるが、ここで話される<カフカス諸語>の数は実に40にのぼるという。

 まずグルジア語からいこう。話者数が400万近くで、その文字は日本語の平仮名、カタカナと同様に唯一独自の「グルジア文字」を用いるらしい。グルジアには100ほどの民族が住んでいるといわれ、7割がグルジア人でグルジア語を話す。

 南オセチア自治州およびアブハジアは<インド・イラン諸語>のオセット語を話す民族が多数を占める。

 さらにグルジアの南にある、アルメニアのアルメニア語、また統一国家を持たないが約2500万の話者を擁するクルド語、そしてロシア語は<インド・ヨーロッパ諸語>、トルコのトルコ語、アゼルバイジャンのアゼルバイジャン語は<チュルク諸語>、グルジアの北にあるチェチェンのチェチェン語、アブハジアの公用語とされるアブハズ語、それからグルジア語は<カフカス諸語>とまさに百花繚乱。言語学的な系統も定かでないようだ。
(こうやって夫々をブログテキスト上で色分けするのも大変なくらいだ)

 そしてグルジア語、アブハズ語、チェチェン語は同じカフカス諸語でも互いに全く通じないという。ましてやロシア語は語派が違うのだから、通じるはずもなかろう。

 無論、言葉が違うからすぐさま紛争になるなどということではなく、日本ほどの面積の地域にジグソーパズルのようにいくつもの民族、言語が入り組んでいることが、対立や争いを招く呼び水となっているのだ。

 これは勿論、バルカン半島のセルビアにおけるコソボ独立問題にも見て取れる。

 コソボ自治州の大多数を占めるアルバニア人が話すアルバニア語は<インド・ヨーロッパ語族>であるが、この語はほぼ孤立した語派といってよいらしく、セルビア語(およびクロアチア語はほぼ同一語)は<スラブ諸語>であって、両語の関係は希薄だ。

 フランスやアメリカなどプレーヤーが増えつつあるグルジア情勢。しかしただ単に大国の動向だけに目を留めていても、より深く理解することは上述の言語的背景からして難しいだろう。民族、それから言語的相違にも関心を払わないと、紛争の原因を把握できないのでないか。

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幻獣ムベンベを追え
 
 『幻獣ムベンベを追え』は早稲田大学探検部出身の作家、高野秀行による1989年のデビュー作。
 
 コンゴのテレ湖という湖にネッシーのような怪獣が棲んでいるということで、探検部の調査隊一行は現地へ向かう。しかし日本人はほとんど誰も近付かないようなアフリカの小国。

 思いっきり、辺境<周縁=マージナル>だ。

 そしてすんなりとコンゴまで辿り着かない。ましてや、テレ湖は密林ジャングルの奥地と言えるような場所。高野らは、猿やゴリラや蛇など何でも食して一ヶ月の調査を終えた。

注1)
 ムベンベが見つかったか否かは本書を読んでのお楽しみ。ちなみに最近刊行された『コンゴ・ジャーニー』では著者のレドモンド・オハンロンもこのテレ湖へ遠征し、高野が帰国の際にプレゼントした迷彩服を着た「アニャーニャ博士(ドクター)」を書中で改めて見ることができるという。

注2)
 早稲田の探検部というと、いまや日本の冒険小説の第一人者である船戸与一や同じく西木正明などを輩出しているが、高野氏はそれに連なる作家。

 探検とか冒険というのは、端でクーラーにあたって本で優雅に読んでいると何ともバカバカしいところがある。あえて何でそんなに高い山に登ろうとするのか、どうしてそんな辺境の地まで行って怪獣を探そうとするのか。だが、ある種類の人達というのは、その欲求が抑えられず行動へと移す。それは高野ばかりでないのだ。司馬遼太郎(『街道をゆく』)も梅棹忠夫(『世界言語紀行』)も同様なのである。マージナルなものは人を魅了してやまない。

フィンランド語は猫の言葉

 『フィンランド語は猫の言葉』は翻訳家、稲垣美晴が1970年代にフィンランドへ留学した冒険譚である。芸大生だった稲垣は果敢にヘルシンキ大学へ留学するのだが、その時代であるからなおさら、<冒険譚>といって差し支えないと思う。気候風土が熱帯雨林のジャングルか厳寒の北方かの違いがあるだけで、稲垣は<ムベンベ>ではなく、日本人にとっては幻の言語<フィンランド語>を探索しに行ったのだ。

 * * *

 最近よく聴くシベリウスをより深く理解するためには、フィンランドの歴史を当然知る必要があろう。また、かのフォン・ノイマンがランド研究所で研究を進めたという「フィンランド音韻論」からして、フィンランド語の音の性質を知ればシベリウスをもっと沢山理解できるに違いない。<タッタタ>という言葉、単語のリズムなのだと、フィンランドのスピーカーメーカーを取材した某オーディオ誌のK編集長は言っていた。シベリウスの音楽もこの音韻に従っているのだという(今回の記事タイトルはフォン・ノイマンからの駄洒落です、、、)。

 そこでフィンランド語の入門書を立ち読みしてみたら、

 <Hyvää päivää!!>が「こんにちは」とある。
 
 字面からして一筋縄ではいかないことがお分かり頂けよう。おまけにフィンランド語は格変化が15格あって、数字も格変化するという。一体何という言語だ。こういう言葉を理解するのはもはや、真っ暗闇の洞窟探検と同じといえよう。

●関連ブログ
●[23]子音の文化と母音の文化 ~言語からみた音楽性の相違とそれに適したオーディオ再生装置とは~
 昨日、あるお宅で聴かせて頂いた音に、衝撃を覚えた。スチューダーのオープンリールデッキで再生された音だ。

 これは次元が違った。あまりのインパクトで顎が外れて、話すのもやっとの状態だった。こんなに<芯>の詰まった音は聴いたことがない。フランク・シナトラやナット・キング・コールが真空管のマイクで歌って、コンサート会場の一番の席で聴くとこういう具合だったろう。

 一体、技術の進化というのは何なのか。スチューダーの機械は1960年の半ばに製造されたものらしい。何のためにCDやデジタルオーディオは開発されたのか。音を良くするためではないのか。

 私は自分のやっていることがひどくバカバカしくなるような空しささえ覚えた。

 オープンリールはつまり、<オーパーツ>だ。

 Out Of Place Artifacts、時代錯誤遺物。つまり、科学技術の進んだ後世からすれば、<出て来てはマズイ>遺物のことだ。プレ・インカ文明(紀元6~9世紀)のものと思われるジェット機とよく似た黄金細工。2000年前のペルーで脳外科手術を施したと思しき跡のあるシャレコウベ。現代の技術では作れないという古代マヤ文明の水晶のドクロ。

 出土してしまうと理解や解釈が出来ないので、とても厄介だ。何より人々が恐れるのは、辻褄が合わなくなることだ。二千年前に脳外科手術をしていたら、これは本格的にマズイ。あまりに時代が早過ぎる。医療の技術がここまで進んだからこそ、やっとことさ頭蓋骨を開けて治療を施して、ということが出来るようになったのだ。

 ライト兄弟が飛行機を発明する前に、インカ人やレオナルド・ダヴィンチが空を飛んでしまっていても都合が悪い。いまさら歴史の教科書を書きかえる訳にもいかない、「実はインカ人はナスカの地上絵を空から自分たちの飛行機で見ていました」と。

 従って、オーパーツはたいがい、宇宙人もしくはムー大陸人の仕業かヤラセか捏造品ということで処理される。オーパーツというのは、「そもそも無かったんだよ、そんなもの」とか「見なかったことにしてさっさと忘れて、さあ平穏無事な日常に戻ろう」という代物だ。

 私にとっても、初めて聴いたオープンリールデッキの音は、オーパーツであって欲しいと切に願っている。

 大して考古学的な価値を見出されることもなく、歴史の教科書を塗り替えることなく、無難に忘れ去られるオーパーツ。

 しかしそれは確かにそこに存在していたものなのだ・・・

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ロニージョーダン近景

 ロニー・ジョーダンは、ファンクバンド「ウォー(WAR)」の中心的人物でキーボード奏者である。1970年代のベトナム戦争が泥沼化するアメリカで、「世界はゲットーだ/ザ・ワールド・イズ・ア・ゲットー」などメッセージ性の高い楽曲がヒットし、ご存知の方もいるかもしれない。

 今月3日に東京コットンクラブで行われた初日のライブは、冒頭でファンクナンバーを4曲立て続けに演奏して、黒人の音楽文化に根差した“確かなファンク”というものを聴かせてくれた。からっと晴れた青空の下、照りつける太陽の光をいっぱいに浴びたような陽気さに溢れたライブであった。ピアノは踊り、ベースはうねり、ドラムは楔を打って、それぞれが粘っこく黒光りした“ファンクの醍醐味”を堪能した。

 アンコールの1曲を含めた全9曲のうち、伝統的なモダンジャズを後半に4曲も盛り込んで聴衆をあっと驚かせたのだが、「ウォー」のヒットメドレーを期待していた人にとっては、肩透かしを食ったようなところもあるだろう。しかし、“ストレート・アヘッドなジャズ”をこのバンドに弾かせたら結構いい線を行くのではないか、と思わせたところでスタンダードなジャズナンバーを披露し、彼はジャズピアニストとしての腕も一流であることを示した。

 “スーツケース型の電子ピアノ (フェンダー・ローズ)”を弾けばハモンドオルガンの名手ジミー・スミスが思い起こされたし、“瀟洒なアコースティックピアノ (スタインウェイ)”を奏でれば当代随一のハービー・ハンコックがごときジャズの手練みたいに腕を奮ったのには全く驚いた。

 例えるなら、分厚くコッテリとした味が売りの昔懐かしいハンバーガー(ファンク・ミュージック)を食べに、彼がオーナーシェフを務める店に行ってみた。すると、スタッフのコックやバーテンダーであるベーシストとドラマーも腕利きで、ハンバーガーを食べた後に古式ゆかしい蒼色のカクテル(ジャズ)まで出されて驚き、料理も酒も美味い、上手い、と唸ったという具合だ。

 料理様式たる音楽ジャンルの調合、献立たる曲目の進め方、食材の下ごしらえたる編曲の丁寧さ、調理技術たる演奏の腕前、そのいずれもが一流であった。

 ブラック・ミュージックは、ファンクばかりでなくジャズ、リズム&ブルース(R&B)、ソウル、フュージョン、ヒップホップと様々なジャンルが生まれ、進化を遂げて来た。この系譜というのは、同じ祖先を持つ近しい従兄弟同士として互いが互いに影響を与えて来たことなのだ、とピアノを通じて語りかけているようでもあった。

ロニージョーダン1

 「ウォー」の代表曲を集めた「ウォー・ストーリーズ」は12月に発売予定である。

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