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オーディオ、音楽のほかメディア評、書評や日々の雑感など、ジャンルごった煮でお届けしています。
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コニシス190407_1

 


 寒さも和らぎ春めいて来た4月の初め、コニシス研究所を訪れた。学芸大学駅の商店街の外れに居を構えるコニシスだが、会社の所在地である住所に辿り着いてもなかなか見つからない。一見分かりにくい看板を見つけ地下へ続く階段を下りていくと、そこにコニシスのスタジオ(studio)=工房がある。


 社名に”研究所”を冠する。研究とは何なのか、広辞苑(第5版)によれば、物事をよく調べ考えて真理をきわめること、とある。真理を希求することは、これすなわち理想を追い求めることである。エイズや癌や水虫を治す万能の薬を創り出すのも研究ならば、理想の再生音をオーディオコンポーネントから紡ぎ出すのも、もちろん研究だ。僕は研究というものを敬服している。理想に到達しようというその姿勢、スピリットが無条件に好きなのだ。普段何とはない日々を送っていると、世の中は理想に反するような事柄ばかりのように思える。だから、何とか世の潮流に抗って物事のありのままの姿を捉えることを目標に掲げる人間に好感を持っている。


 しかし、僕の知る研究所を主催する人達はみな、いい意味で肩の力が抜けていて、社会との関係を断って仙人のような暮らしをしながら山に籠って研究に打ち込むタイプではない。いつもは社交的な、まあどこにでもいそうな「いいオヤジ」だ。ただ共通しているのは、一皮剥いた時に現れる強烈な自意識と理想に向かっているという高いプライドをみな持っているということだ。その矜持を持っていない“エセ研究者”など当たり前なのだが僕は認めなし、興味もない。


 コニシスは今から20年以上前、業務用の音響機器の製作を生業とする自分達のためにアンプを作ったことからオーディオメーカーとして出発した。スタジオなどに向けたプロ機の製作を行うとともに、レコーディングスタジオを設けて録音事業も展開している。いや社業としてはむしろこちらがメインストリームなのかもしれない。


 代表の小西さんは、レコーディングエンジニアとして実務をするばかりか、自らアンプの回路設計を手掛ける。社長がアイデアを書き起こし、実際に製品としてまとめ上げるのは部長の川村さんの仕事だ。小西さんは言う、国内外のハイエンド製品は音が“作られている”部分が多く、そこに多大なコストがかかっている、と。それを認めないという矜持の狭さは持ち合わせていないのだけれど、法外な値段のハイエンド民生機に対するアンチテーゼということは充分に意識しているようだ。フラッグシップとなるCL-1CL-2(プリ、パワー)は、もちろんグレードも価格もハイエンドに準ずるクラスだが、マークレビンソンの名機にインスパイアーを受けた小西さんとしては、是非取り組みたい基幹機種であった。


コニシス190407_2


 実際に音を聴かせてもらうと、やはり録音スタジオを営むメーカーの製品だけあって、解像度が高く、透明感に溢れていて“ソースをそのまま鳴らす”という方向で機器が作られているように感じる。ただ試聴環境としては、その辺の倉庫といった風情で、スピーカーの後ろ側は剥き出しのコンクリートで、あまり良いものとは言えなかった。だが、それは予めこちらがお願いしてのことだったので、何の戸惑いもない。むしろ、ルームアコースティックの施された良好な環境で聴いたら、もっと凄い音になるに違いないという期待の方が大きい。


 先ず僕が目の当たりにしておきたかったのは、コニシスの仕事場であった。仕事机を見れば何となくその人の仕事の仕方なんかが分かってしまうのと一緒で、工房を見学すれば、その製品がどんな音で鳴るのか、どんなことを考えて作り上げられたのか垣間見れるというものである。沢山の録音機材が設置されたスタジオは、まさに音響のプロの世界そのものであった。


 録音スタジオを持ち、自分たちのレコードレーベルもあって、業務用と民生用のプロダクトを製作するという世界でも稀有なオーディオガレージメーカーとして、コニシスへの関心を背けずにはいられない。


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