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オーディオ、音楽、建築のほかメディア評、書評や日々の雑感など、ジャンルごった煮でお届けしています。
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 昨日は某国産車メーカーH社に勤める友人と、大いにCar談義を交わして、クルマについて考え続けた今年後半戦の締め括りをして来た。

 面白かった話はいくつかあったが、経営的なことを司る部署で次なる車種の開発を担当する彼も、《一体、どういうクルマを開発したらよいのか》に悩んで、藁をもつかむ心境で他社のマーケティングに学ぼうと、静岡の田宮模型本社を訪れたのだという。そこで訊いたのは、赤ん坊が生まれて始めに与える玩具というのは古今東西を問わずして、男の子だとミニカーなど動くオモチャ、女の子には人形みたいなものと相場が決まっていて、それは不変だということらしい。そういう玩具に反応するというのは、もはやDNAに刻まれているがゆえなのかもしれない。
 
 最初に心ときめかせて遊んだ遊具がクルマ的なものであることは世代を問わないにも関わらず、ではなぜ現代草食系男子はクルマに関心がないのか。
 
 田宮模型だって、クルマの模型は売れてもらわないと困る。で、その啓蒙のためにイベントを催しているのだが、ミニ四駆(知らない人は調べて下さい!)だとすぐに500人くらいは集まるという。なんだ、みんなクルマの模型に興味があるから安泰だ、とは残念ながらならないようで、つまり一言でいうと横のつながり、コミュニケーションがないからムーブメントとして広がらないと。子供たちが小学校で《ミニ四駆ってむちゃむちゃ面白いよ》と隣の山田君に話をしないから、かつてのような大々的なブームにはならない。
 
 もともと原初に手にしたオモチャがクルマなのだから、その潜在的なニーズを刺激してやれば再び関心を寄せられるのではないか?しかし残念ながらその答えはNOなのであって、後天的な生育環境で失われた関心は再び蘇ることがないというのがホンダのタミヤの見立てだ。クルマも模型もそして酒も新聞も、もはや消えゆくのみの運命なのである。実に困ったものだというのが酒席の結論だった。
 
 結局どうやったら人の感性をブルブルと震わせることができるのか、にもつながるのだが、(長い枕になりました)今年一番の本である【仮想儀礼】はホントにブルブルきます!新聞書評でも今年の一冊で挙げている評者がいたようにも思うが、これが私のダントツでした。



 いま読みかけでゆくと、【日本辺境論】(内田樹/新潮新書)も増刷がかかって、なかなかのヒットになっているようだが《辺境》は私自身も設定しているテーマであるので興味深かった。クルマにせよオーディオにせよ、なぜ人は舶来に惹かれるのか。この心性に有効な説明の手立てを持っていなかったのだが(もっともらしい理屈はいくつもあったけれど)、本書は大ナタでザクっと大枠で日本文化、日本人の特徴を捉える試みをしていて、実に成功している。

 【完全なる証明】(マーシャ・ガッセン (著)、青木 薫 (訳)/文藝春秋)は、世紀の数学の難問、ポアンカレ予想を説いた天才数学者ペレルマンの評伝。まだペレルマンが数学オリンピックに出る前までしか読んでいないから、この先どうやってポアンカレ予想を証明するまでに至ったのか、そして何故数学のノーベル賞、フィールズ賞の受賞を拒み、超一流大学からの招聘も断って現世を捨て行方不明となる道を選んだのか、はこれから読むことになる。NHKスペシャルで本テーマの放送があったので記憶されている方もいるだろう。

 天才だって(だからか)苦悩は深いのだ。

●2008年は
http://itsunire.blog.shinobi.jp/Entry/172/
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無題
タミヤのF1ウィリアムズ・ルノーは箱のまま20年ほど取ってあります。あと先日買った370Zもそのままです。作ってしまうと夢が終わります。。
togo URL 2010/01/05(Tue)20:45:50 編集
togoさん
こちらこそ今年も宜しくお願いいたします!
オーディオに車と男子復権ネタでブログアップしていきます。
ところでやっぱり憧れのクルマの模型作ってしまうと夢が潰えてしまうものですか、なるほど。私は辛抱が利かないので、夢を中途半端に食い散らしてしまうタイプやもしれません,,,
itsunire 2010/01/06(Wed)00:41:09 編集
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