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 先日筑紫哲也さんが亡くなって、TBSの追悼番組を見ていたら進行してゆく病状が露わになっていたので目を覆いたくなった。人は肺ガンでこうやって死んでいくのかという暗澹たる気持ちへと至らしめ、いっそのこと煙草を辞めようとも思案したがそう事は上手くいかない。

 いくつかの新聞の亡者記事のなかで、気になったのは日経の田勢客員コラムニストのものだった。筑紫さんは記者時代から既に異彩を放っていたという。とりわけ長い髪をかきあげる姿が様になっていて(随分とカッコ付けだ!)、他の政治記者とは一線を画していた。どんな組織でもインサイドフォースは強いものだが、新聞社のそれは官庁と同様に容赦のないものだ。いわゆる「手前の理屈」が横行する社会だ。新聞社に勤めて日々を過ごす身としては、それは痛感せざるを得ない。

 そういう環境で「ロン毛」をなびかせる筑紫氏へ、田勢氏は「あれが有名な筑紫哲也か」と唸ったらしい。そういう姿かたちに限らず周りに流されないアウトプットを終生保ち続けたことは、心から尊敬したい。主義信条において頑なまでのリベラリストと皆書き並べているけれども、私には右でも左でもどちらでもよい。

 私は「テレビNEWS23の筑紫サン」しかオンタイムで知らないから、テレビにデビューした頃のことはよく分からないし、単純に言って「カッコいいロマンスグレーの朝日のオジサン」くらいにしか思っていなかった(失礼な話だけれど)。何を隠そう細君は「実は中学生の時分からファンだったのよ」と憧れのおじさんの逝去に本気で目を潤ませていた。そういう女性が多数いるほどのニュースアイドルだった。

 たぶんもう、あーゆー「カッコいい」スタージャーナリストが現れることはないだろう。時代の一つの終焉を感じた。「新聞」とか「記者」とか「ジャーナリズム」といったものが大きな物語だった時代はとうとう幕を下ろした。合掌。
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