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オーディオ、音楽、建築のほかメディア評、書評や日々の雑感など、ジャンルごった煮でお届けしています。
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■◆メディア評
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 先日筑紫哲也さんが亡くなって、TBSの追悼番組を見ていたら進行してゆく病状が露わになっていたので目を覆いたくなった。人は肺ガンでこうやって死んでいくのかという暗澹たる気持ちへと至らしめ、いっそのこと煙草を辞めようとも思案したがそう事は上手くいかない。

 いくつかの新聞の亡者記事のなかで、気になったのは日経の田勢客員コラムニストのものだった。筑紫さんは記者時代から既に異彩を放っていたという。とりわけ長い髪をかきあげる姿が様になっていて(随分とカッコ付けだ!)、他の政治記者とは一線を画していた。どんな組織でもインサイドフォースは強いものだが、新聞社のそれは官庁と同様に容赦のないものだ。いわゆる「手前の理屈」が横行する社会だ。新聞社に勤めて日々を過ごす身としては、それは痛感せざるを得ない。

 そういう環境で「ロン毛」をなびかせる筑紫氏へ、田勢氏は「あれが有名な筑紫哲也か」と唸ったらしい。そういう姿かたちに限らず周りに流されないアウトプットを終生保ち続けたことは、心から尊敬したい。主義信条において頑なまでのリベラリストと皆書き並べているけれども、私には右でも左でもどちらでもよい。

 私は「テレビNEWS23の筑紫サン」しかオンタイムで知らないから、テレビにデビューした頃のことはよく分からないし、単純に言って「カッコいいロマンスグレーの朝日のオジサン」くらいにしか思っていなかった(失礼な話だけれど)。何を隠そう細君は「実は中学生の時分からファンだったのよ」と憧れのおじさんの逝去に本気で目を潤ませていた。そういう女性が多数いるほどのニュースアイドルだった。

 たぶんもう、あーゆー「カッコいい」スタージャーナリストが現れることはないだろう。時代の一つの終焉を感じた。「新聞」とか「記者」とか「ジャーナリズム」といったものが大きな物語だった時代はとうとう幕を下ろした。合掌。
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 NHKスペシャルで『病の起源』というのをやっていた。どこか宇宙の彼方から病気がやって来たという話でもなく、ペストや黒死病やエイズとの飽くなき闘いということでもなく、『睡眠時無呼吸症候群』に焦点を当てて、これが人類有史以来の病気なのだということであった。

 寝ている時に呼吸が止まるのは、単にイビキのせいなんかではなく、遡れば人類が石器を使い始めて比較的柔らかいものを食べるようになって顎が小さくなる変化を遂げて、ついてはその小さな顎に<舌>が落ちて、呼吸の吸入口(気道?)が閉じるという説明であった。

 まあそれはいいのだが、私は特に泥酔した時など息をしていないらしく、妻に引っぱたかれる(こともあるという、何しろ自分では分からないのだから)。『睡眠時-』は根性で叩き直すことは罷りならず、顎構造による宿命的な病という結論で、とても悲観的な番組構成となった。

 私はミノモンタを登場させたかった。

 「で、どうやったら『睡眠時-』は治したり改善することができるのか」。問題と原因は明示したが今後の対策については病院に診てもらうしかありません、というのは些か視聴者に失礼だ。ミノ氏なら「キュウリと洗濯バサミを使ってこんなに簡単に治すことができるんですよ、奥さん」となる。これだってどう考えてもイージーに過ぎる訳だが、NHKよりもまだマシだ。
 
 昨今、名医を番組で紹介したり、芸能人の身体年齢を計測したり、老化が恐ろしい勢いで進行する難病をドキュメンタリーで追ったり、様々な形式で病気やその治療についてテレビで取り上げる。そういう番組を見る度に私は思うのだが、<ではどうすれば、その病気にならないのか>、<また何故どのようにしてその病気になってしまうのか>、<とても若くして死に至る疾患に冒されてしまうのは、一体どうしてなのか(周りの人と大して変わらぬ生活をしていてなぜ、そのフェータルな病気にかかってしまったのか、決してその人が悪いことをした訳でもないにも関わらず)>、といったことが気にかかる。
 
 現代の医学では証明も検証も不可能だし、おそらくは最先端の医療研究の場では粛々と調査が進んでいるのであろうが、私はどうしても<なぜ彼や彼女がその病気に選ばれてしまったのか>が気になる。つまり彼や彼女ではなく、私であっても何ら不思議ではないのだから。
 
 何をどうしたって風邪はひくし、虫歯にもなるし、突然腹も痛くなる。病と人間は残念ながら夫唱婦随で伴走するほかないのであろうが、何としても<ただ結果としての病気>ではなく、<それに至る経緯と原因、そして忌諱するための対策>をセットにして、テレビには教えて欲しいのだが、それは欲張りというものだろうか。



 最近すっかりオーディオの話から遠ざかっていますが、JBL4311の調子が悪くなって、音に雑音が混じって困っている。これは入院して、すべてチェックしてもらった方が良さそうだ。もう30歳を超えたのだから、人間と同じようにスピーカードックを受けさせようと思う。

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 TBS『情熱大陸』に<さかなクン>が出ていた。一体どんな奴だと思っていたら、凄い人なのだ。魚に関するイベントなら何処へでも行くという、その地道で謙虚かつ柔軟な活動が認められたのか、東京海洋大学で客員准教授を務めているという。ウィキペデイアによれば、この大学を目指したが失敗し、専門学校を出たことになっている。要するに彼は、魚業界の<安藤忠雄>だ。

 番組の最後のほうで、京都大学の魚類分類の権威に会いに行くあたりで、私はブラウン管の<さかなクン>に賞賛の言葉を贈っていた。まあ少ないかもしれないが魚が好きだという人はいるけれど、<さかなクン>ほど魚が好きだという人はいないであろうことに羨ましさすら感じたからだ。



 テレビ朝日『建もの探訪』では、巨匠<東孝光>の『塔の家』が紹介されたのを見た。我が家も狭いが、『塔の家』に比べたらまだマシなのではないかと思えるほどコンパクトな住居であった。しかしまあ、あんな斬新な住居を1966年に建てたというから驚きだ。今から40年以上前である。

 いま、たまたま手にとったハービー・ハンコックの『エンピリアン・アイルズ』が1964年だ。こちらもこちらで、新主流派の新鮮さはいまだに色褪せていないと思うが、両方とも時間が経てど、凄い作品だ。


EMPYREAN ISLES_Herbie hancock

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 『R25』はリクルートが発行するフリーペーパーである。昨日から配布になった“N社”特別号が出色の出来映えだ。

 仕事柄、地下鉄構内のラックに設置され配布される各種の媒体には目を通す。正直に言うと、「まあ『R25』でしょ」みたいな、どこか軽量級の無料誌だと値踏みしていたことは否めない。ところが、だ。今回の特別エディションは、僕の見立てでは今までで最も完成度の高い『R25』であった。侮れない。いや、見事だと僕は感じた。

 N社がキャラクター起用しているKタクの広告がずらりと並ぶのは当然としても、あれだけ立て続けにKタクのページがあると、やはり壮観だ。だが、今回の号の見所はそこではない。

 N社出身の東大工学部教授をブッキングし、取材している。NHK『プロフェショナル』にも取り上げられた、こういう異才とも言える人材を育てる企業風土があることを、誌面に登場させることで何よりも雄弁に語っている(つまりは次なるS製作所の田中さんだ)。このフリーマガジンの読者は25歳前後の若いサラリーマンだ。転職の盛んなこの世代が読めば、N社は魅力的に映るに違いない。今号は人材募集広告の意味合いも多いと見る。

 更に、巻末にはTVCMのテーマソングを歌う山下達郎のインタビューも載せている。音楽制作の現場で、機材がアナログからデジタルに変わる潮目で苦労した話など、いかにも山下さんならではだし、ピタリと今回の『R25』の企画趣旨に沿っている。

 兎にも角にも、こういう風に“ピタリ”とアプローチショットでグリーンを捉えるばかりか、ベタピンで来られると、その力量には舌を巻くというものだ。こういうショットは偶然出るものではありません。やるなー、R25。僕は読後、清々しささえ覚えました。


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