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オーディオ、音楽のほかメディア評、書評や日々の雑感など、ジャンルごった煮でお届けしています。
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 『R25』の巻末に石田衣良氏が『空は、今日も、青いか?』というエッセイを連載している。

 本日発行の号は『百年前の電子素子』というタイトルで、ある男性誌がオーディオの特集を組むにあたって、石田氏に<球>と<石>のアンプの聴き比べを依頼して、使い始めて40年になるという歴史あるオーディオ試聴室で行ったというから、これは氏の寄稿していたステレオサウンド社の部屋を借りたのだろう。そのうち、『Lapita』誌か『BRIO』誌か『PLAYBOY』誌かで掲載になると思われる。

(書店に行って『Lapita』誌を見たら、次号予告にそれらしきことがあったので、おそらく同誌と思われますが・・・今号では<JBLとタンノイ」なんてサブ特集をやったり、先の号では「アナログ特集」をやったりと、さながら現代版『FMレコパル』になりつつありますが、どうりで編集長が全盛期のレコパル出身だそうです)。

 石田氏は、「こと音楽のような微妙なアートの世界では、この古いテクノロジー(真空管)が独特のいい味をだすのだ」と記す。ツェッペリンの「移民の歌」を聴いて、<石>は「細かな音までよく拾い、性格にCDに刻まれた音を表現するという印象。どこか冷静で、客観的な表現」となり、<球>は「音の温度感ががらりと変わって、(石は)高原の空気のようだったのが、南の島の熱風だ」となる。

 「ただ性能ではなく、人の感覚に訴える力で比べるなら、最新のデバイス(石)と1世紀を生きてきた真空管(球)は、意外と思えるほどの好勝負をする」という感想で、ついには「サブシステムのパワーアンプの3分の1以下の価格の<球>のアンプを持って帰りたい」と悩む。
 
 『R25』はヤングサラリーマン向けの無料誌だから、「オーディオは大人のいい趣味です」と提案し、「iPodもいいけれど、きちんと部屋の空気を揺らすコンポーネントで、音楽をきいてみよう」と指導している。

 自身はウィルソンのシステム7だか8をジェフで鳴らす石田氏だから、なかなかに説得力もある。前号では<『e.s.t』の「ライブ・イン・ハンブルグ」>はジャズだと外せない、ヘビーローテーションでBGMで流しているということだったし、実際この盤を聞いてみれば、じわりじわりと麻薬的な魅力を持った演奏に引き込まれるのは事実である。

 このエッセイを読んで、どの位の25歳前後の人たちが、「よし、<球>のアンプをオーディオ店に一回聴きに行ってみよう」となるのか、気になるところではある。おそらく相当に感度のよい25歳でないと、石田氏の提案に感応できないのではないかと思う。<球>のアンプだなんて、少し上の世代である私ですらほとんど知識もなく、どこから手をつけてよいのかも分かりにくい。

 ただ、レコードに惹かれたのと同様に、真空管にももちろん魅力を感じる。「過去のものといえども、真に価値のあるものは、常に新しさを含んでいる」、柳宗悦の言葉だ。

 私も確かに<オーディオは大人のいい趣味>だと思う。

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真空管オーディオ
 こんにちは。
私は、真空管というデバイスは、視覚的にも、音楽への温度感を提供してくれていると思います。
 現在は引退してますが、UV845シングルのモノブロックをどーんと置いてあるだけで、悦に入ってました。
 いまは、デジタルアンプ一辺倒ですが、温室的な傾向で言えば、石よりもデジタルアンプのほうが真空管の音に似てますね。しかし外観からは温度間を観じません。
 
 
チューバホーン 2008/04/18(Fri)07:55:43 編集
チューバホーンさん
石よりもデジタルアンプの方が真空管の音に似ているというのは面白いですよね。テクノロジーの面からは、なかなか分かりやすい説明がつきにくそうに思います。

さて、真空管というのはフォトジェニックですから、絵になりますね。

前々から球のアンプは気になって、真空管オーディオショーなどで色々なものを聴きましたが、帯域の狭さにどうにも納得がいかずに見送りました。また真空管自体はとても格好が良いのですが、筐体全体になるとデザインがまずいものが多かったのもマイナス要素でした。

ところが、渋谷にある『BAR TRACK』というバーに2年ほど前に酒を飲みに行って、ここはタンノイのレキュタンギュラーヨーク・モニターゴールドを、マッキンのMC2205と240で鳴らす店(!)なのですが、ガラードのプレーヤーから出て来る音には驚きました。帯域の狭さを感じさせるなんてこととは無縁で、月並みな表現ですが、繊細で力強い音に感心した覚えがあります。
(ちなみにこのBARは、この間「AUDIO BASIC」の別冊ムック「10年後も「定番」 いい音を選ぶ 2」の表紙を飾っています。

その後、GRFの部屋さんやUNICORNさんの真空管を組み込んだシステムを聴かせて頂いて感じたのは、球が音色に<魅力的な色付け>をしているのではないかということです。

そういえば、コニシスの小西さんと酒を飲んでクダを巻いていると、必ず、真空管にしか出せない音色があるという話になります。真空管のマイクを通じて録音された古い盤で知る音の魅力であり、ハードディスク・レコーディングで音が均質化してしまうような現在において、わざと真空管を通したりして差別化を図るといった話からも、真空管には底知れぬ魅力があるように思います。

便利でデジタル化する世の中に「待った!」をかける存在ですね、真空管は。
itsunire 2008/04/18(Fri)23:08:23 編集
真空管
真空管の話になるといつでも技術の進化と結果は全く別物であることを意識せざるを得なくなります。
真空管は確かに古い、だけど単体の増幅Deviceとしてみた場合は残念ながら半導体は真空管に負けます!!小生の知る技術進化はPCの世界では間違いなPerformance進化をともなっていますが、ことAudioでは技術進歩がPerformanceにともわないことが多々です、真のデジタルAMP.は残念ながら増幅器と呼ぶと色々誤解を与えます、これは進化ではなく全く新しく作られた土俵(UNICORNもそうよんで良いものだと思っています)と考えるとGRFさんのデジタルAMP.への共鳴がよく理解できます。
UNICORN 2008/04/19(Sat)10:10:06 編集
UNICORNさん
47研の木村さんに取材したところでも、オーディオのテクノロジーについて”変化”はしているが、”進化”ばかりかというと、そうでもない、とご指摘されています。

ばりばりの文系武闘派の私としては、球にせよ石にせよ、その技術的な仕組みなどは謎のベールに包まれているようなもので、となれば音色やデザイン、見た目といった主観的に感じる要素や、時代との関わりといったアプローチでは人後に落ちないようにする他ありません。

半導体を産業の米とすると、差し詰め今、真空管は音楽再生の糧ですかね。知り合いが「第30回真空展-VACUUM 2008」という展示会の手伝いをしてしているので、今年9月のイベント開催時にいってみようかしらんとも思います。秋葉原の「真空管オーディオフェア」のようなものを期待して行ったら、大空振りに終わりそうですが・・・

オーディオ機器の展示はないですね。
itsunire 2008/04/20(Sun)22:59:13 編集
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