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それでも記しておこう。比較対象にしたのは、以下の3種類のケーブルである。
▼ケーブル
・TMD/Environment2
・TMD/白(試作品)
・Zucable/Wylde
なぜこのラインナップとなったのか。例によってオーディオユニオンのS師匠によるご高説を拝聴し、TMD(トータルミュージックデザイン)社のケーブルを薦められたのだ。中域をがっちりとさせて、ジャズを熱気溢れる雰囲気で再生したい、などと具申すると同社の名が挙がった。ユニークな選択だと師は言う(実際は、“TMDなんかを選んでも、結構面白いとは思うんですよねえ”と仰られました)。しかも、ユニオンで見繕って手渡されたのではなく、T社から直接購入するとよい、とのアドバイスがあった(実際は、”TMDはWeb直販をしていて、僕らから買うよりも安かったりします”とのことでした)。
一体何とまあ、しつこいようだが、実に懐の深いセールスをするというのだ。電源ケーブルだって、オヤイデに行って自分で作った方が安上がりです、とご教示を頂いた。いくら金満家の方からの出費で店の経営を成り立たせているとはいえ、これではあんまりだ。申し訳程度にオーディオの雑誌をその場で買ったくらいでは、彼には何の足しにもならない。
もう、ここは思い切って彼の膨よかな掌の中で踊ってしまって良いのではないか、とまるで接待を受けるクライアントな気分になって来たぞ!
「じゃあ、このZucableをTMDと比較して聴いてみたいんだけど・・・」
では宜しい、とのご宣託を得た。彼をオーディオ菩薩と名付けることにした(実際は、”ZucableはあまりITSUNIREさんの求める音の方向ではないかもしれないですが”との注釈があったからだ)。
早速、家に帰って聴いてみる。CECの3300Rと47アンプの間に結線した。
▼試聴盤
①キャロル・キング/タペストリー/『You’ve got a friend』
②ハービー・ハンコック/ザ・ニュー・スタンダード/『ニューヨーク・ミニット』
オーディオルームが梅雨の被害を受けて、ゆったりと比較するような気持ちではないので、この2曲と3本のケーブルをさくさくと順に組み合わせて試聴した。
先ずは女性ヴォーカルからいってみよう。Zucableは、オーディオユニオンのS師匠から“現代ハイエンド的ケーブル”と紹介されていた。中域から上の高域までに伸びがあって、ここがメイン所という印象だ。低音もしっかりと出ていて、柔な床が鳴っている。しかし、中域に張りがなく、中抜けの感じだ。キャロル・キングの声(人の歌声)が中域を地盤とするからだろう、全体にまとまりがない。
それに引き換え、TMDの入門ケーブルEnvironment2は中厚で、声に芯がある。ヴォーカルが自然だ。Zuに比べて、まとまりがある。TMDの白い試作機は、同じく中域の周辺に力が漲るのだが、E2よりもその範囲が広い。上と下にもっと広がっている。僕のメモには“音場”とある。この言葉が果たして正しいかは分からないが、中域が広まったことで、僕は“音場”を感じた。キャロル・キングの声が、やや鼻にかかったものであることを改めて気付かされる。
お次はハービーだ。まとまりということでは、Zuが一番あった。随分と綺麗なアンサンブルだ。逆に言えば、カジュアルで軽く薄い。TMDのE2は、フンワリとした袋の中に、コンボが収容されている感じだ。
『ニューヨーク・ミニット』の、のっぴきならない緊迫感はあまり感じられず、やや冗長な気もしたが、演奏はうまく一つに集結させられた。
そして、白の試作機だが、全体のまとまりには欠けた。しかし、低音は競り上がり、緊張に包まれた雰囲気が見事に再現された。まるで正方形の白いキャンバスのど真ん中に、小さく黒丸が描かれ、その1点に焦点を絞って音を投射しているようだ。
僕はTMDの白い試作機をとることにした。見た目もユニークだ。ケーブルの真ん中に、縄跳びの手を握る部分のようなものが誂えてある。一体、何が入っているのだろう。高音と低音を調整するという。TMDからの書面には、製品名も使われた素材についても、何も記載がない。ただ試作品とあるだけだ。販売するとしたら、10~12万の物だが、プラグの変色、スリーブの黄ばみ、曲げ癖により、とてもリーズナブルなサマーセール価格に設定されていた。
TMDの畑野さんに電話をすると、5年ほど前に『ユーロヴィンテージ』と共に製作したのだという。それ以外には情報がない。
いや、いいではないか。何者か出自は分からないが、腕は立つフランス外人部隊的ケーブル。昔のジャズは、多くは怪しい連中が演奏していた訳だから、それにふさわしい。
●追記
ユニオンのS氏へ、電話で申し訳ないけれども、Zucableは(予定通り)お返ししますと言って、上記を掻い摘んで伝えると、楽しそうに“やっぱりそうですよね、TMDを選ぶと思ってました”と明るく返事があった。音の特徴という、とても抽象的で主観的な内容がゆえ、自分の教えることに生徒が理解を示し、進路指導に従ったことが嬉しかったのだろう。だんだんと共通言語の語彙が増えつつある。良きことかな。
▼ケーブル
・TMD/Environment2
・TMD/白(試作品)
・Zucable/Wylde
なぜこのラインナップとなったのか。例によってオーディオユニオンのS師匠によるご高説を拝聴し、TMD(トータルミュージックデザイン)社のケーブルを薦められたのだ。中域をがっちりとさせて、ジャズを熱気溢れる雰囲気で再生したい、などと具申すると同社の名が挙がった。ユニークな選択だと師は言う(実際は、“TMDなんかを選んでも、結構面白いとは思うんですよねえ”と仰られました)。しかも、ユニオンで見繕って手渡されたのではなく、T社から直接購入するとよい、とのアドバイスがあった(実際は、”TMDはWeb直販をしていて、僕らから買うよりも安かったりします”とのことでした)。
一体何とまあ、しつこいようだが、実に懐の深いセールスをするというのだ。電源ケーブルだって、オヤイデに行って自分で作った方が安上がりです、とご教示を頂いた。いくら金満家の方からの出費で店の経営を成り立たせているとはいえ、これではあんまりだ。申し訳程度にオーディオの雑誌をその場で買ったくらいでは、彼には何の足しにもならない。
もう、ここは思い切って彼の膨よかな掌の中で踊ってしまって良いのではないか、とまるで接待を受けるクライアントな気分になって来たぞ!
「じゃあ、このZucableをTMDと比較して聴いてみたいんだけど・・・」
では宜しい、とのご宣託を得た。彼をオーディオ菩薩と名付けることにした(実際は、”ZucableはあまりITSUNIREさんの求める音の方向ではないかもしれないですが”との注釈があったからだ)。
早速、家に帰って聴いてみる。CECの3300Rと47アンプの間に結線した。
▼試聴盤
①キャロル・キング/タペストリー/『You’ve got a friend』
②ハービー・ハンコック/ザ・ニュー・スタンダード/『ニューヨーク・ミニット』
オーディオルームが梅雨の被害を受けて、ゆったりと比較するような気持ちではないので、この2曲と3本のケーブルをさくさくと順に組み合わせて試聴した。
先ずは女性ヴォーカルからいってみよう。Zucableは、オーディオユニオンのS師匠から“現代ハイエンド的ケーブル”と紹介されていた。中域から上の高域までに伸びがあって、ここがメイン所という印象だ。低音もしっかりと出ていて、柔な床が鳴っている。しかし、中域に張りがなく、中抜けの感じだ。キャロル・キングの声(人の歌声)が中域を地盤とするからだろう、全体にまとまりがない。
それに引き換え、TMDの入門ケーブルEnvironment2は中厚で、声に芯がある。ヴォーカルが自然だ。Zuに比べて、まとまりがある。TMDの白い試作機は、同じく中域の周辺に力が漲るのだが、E2よりもその範囲が広い。上と下にもっと広がっている。僕のメモには“音場”とある。この言葉が果たして正しいかは分からないが、中域が広まったことで、僕は“音場”を感じた。キャロル・キングの声が、やや鼻にかかったものであることを改めて気付かされる。
お次はハービーだ。まとまりということでは、Zuが一番あった。随分と綺麗なアンサンブルだ。逆に言えば、カジュアルで軽く薄い。TMDのE2は、フンワリとした袋の中に、コンボが収容されている感じだ。
『ニューヨーク・ミニット』の、のっぴきならない緊迫感はあまり感じられず、やや冗長な気もしたが、演奏はうまく一つに集結させられた。
そして、白の試作機だが、全体のまとまりには欠けた。しかし、低音は競り上がり、緊張に包まれた雰囲気が見事に再現された。まるで正方形の白いキャンバスのど真ん中に、小さく黒丸が描かれ、その1点に焦点を絞って音を投射しているようだ。
僕はTMDの白い試作機をとることにした。見た目もユニークだ。ケーブルの真ん中に、縄跳びの手を握る部分のようなものが誂えてある。一体、何が入っているのだろう。高音と低音を調整するという。TMDからの書面には、製品名も使われた素材についても、何も記載がない。ただ試作品とあるだけだ。販売するとしたら、10~12万の物だが、プラグの変色、スリーブの黄ばみ、曲げ癖により、とてもリーズナブルなサマーセール価格に設定されていた。
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