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オーディオ、音楽、建築のほかメディア評、書評や日々の雑感など、ジャンルごった煮でお届けしています。
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 杉並区は東京23区の中で緑地の割合(緑被率)が比較的高く、練馬区に次いで2位だという。言われてみれば区民農園や生産緑地というのがいくつも点在していて、春などにそこの脇を通ると気持ちがよい。

 車で10分ほどの近くに住んでいらっしゃる『GRFの部屋』さんのお宅を訪れた。家の前に公園があって緑が多く、車通りが少なくて静かという住宅地として抜群のロケーションにある。とても立派な建物で、これに比べると小宅のような狭小住宅は気恥ずかしいものである。

 さてオーディオであるが、充分すぎるほどの専用スペースが確保されている。間仕切るものがないので、とてもゆったりとした空間だ。部屋の前方の両端に、タンノイGRFが鎮座している。その姿は、いまの製品が失いつつある<威厳>の芳香を放っている。ドライブするアンプはサウンドデザインのデジタルアンプ<FoB>だ。これをパワーアンプとして使い、プリは茶色い木目の筐体をした真空管アンプを選んでいる。

 しかし、そう単純なシステムということでは勿論なく、他にも様々な各種の機器が控えている。先日は名機トーレンスTD124にトーンアームがSME3009、カートリッジがヴィンテージのベンツマイクロという組み合わせに、オルトフォンのシンプルなトーンアームにこれも古いSPUという贅沢な聴き比べをさせて頂いた。細かく言えば、その間にはオルトフォンやミリタリーな雰囲気の昇圧トランスを各々選んでつないだり、針圧やアームの調整を素早く的確に実行された。

 そう、ここはオーディオ実験道場なのだ。

 我が家へお招きして音を聴いて頂き、瞬時に私の好みみたいなものを把握された。そしてオルトフォンのペアの賑やかで生き生きとした再生を振舞って頂いた。これもオーディオ実験の一環として行われたものだ。むろん実験は成功である。加えてドヴォルザークのチェロコンチェルトのうち、セルとフルニエによる演奏のもので、オリジナル、セカンドプレス、日本版と貴重な盤を続けて聴くと、その違いがよく分かった。

 道場主として、客人がやって来たら、豪華な料理=<いい音>を振舞うだけの鍛錬と経験、またサービス精神を持っていらっしゃるのだと思った。当方は道場に通う一生徒ということになろう。



 上述は5月の清々しい季節の頃に伺った時のことで、それから最近では小型スピーカーでちょっとあり得ないくらい広大な音場を描くことを実現されたり、訪問させて頂く度に驚きがあって、道場主としての腕は冴えるばかりとお察しします。ブログ『GRFの部屋』の記事に、<大事なのは、安易にお金で買うのではなく、自分で実験して納得しながらゆっくりと進んでいく気持ちです>とあって、唸った次第です。
 
 その記事を拝読している時に、「実験」のフレーズから、そういえば前にお邪魔申し上げた折に感想をしたためたことを思い出し、この記事をアップさせて頂きました。この場を借りて感謝申し上げます。
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無題
久しぶりにブログを見ています、GRFさんの部屋をAudio実験道場とはよく名ずけたものです!
小生も最近その恩恵をこうむり、危うく道を外しそうになったところをGRFさんの実験道場の後押しもあり漸く目がさめ、初心/白紙にかえり日夜Unicornの再調整にはげんでいます、目が覚めて一週間程でようやく調整の焦点が定まったところです、それにしてもありがたいのは率直に意見を言っていただけるベテランの方の存在です。
Unicorn 2008/08/18(Mon)01:24:13 編集
UNICORNさん
ブログ拝読頂きまして有難うございます!

>初心/白紙にかえり日夜Unicornの再調整にはげんでいます

GRFさんを<オーディオ実験道場>と致しますと、UNICORNさんは<オーディオ道の求道者>という感じで、極めんとする真摯な姿勢には、頭が下がります。私はいい加減なので(よい加減だといいのですが)、「まあ、いっか」という気分がムクムク表れて来てしまうのでダメですね。やっぱりオーディオは性格が出てしまうものなのでしょうか・・・(出てしまう気がします、、、)

ところでご教示頂きたいことございまして、別途メールさせて頂きたく存じます。宜しくお願い致します。
itsunire 2008/08/19(Tue)00:34:03 編集
道場主です(笑)
何だか、知らない内に求道者になっていましたが、本人は相変わらずの飲ん平で、毎日夕方になると部屋に引きこもって音と遊んでおります。今週は小型のSPの方を調整してGRFとどちらが鳴っているのか解らなくして喜んでいます。また道場破りにお越しください。
GRF 2008/08/24(Sun)22:59:11 編集
道場主さん
もといGRFさん。こんばんは、鯨飲とまではいきませんが、先程まで酒盛りをしておりましたので、飲酒返信です。私も酒だけなら人後に落ちません。といっても駅のホームに落ちないように気を付けないとなりません(つい先日記憶が全く抜け落ちる事態がありました、、、)。
さて、道場破りのお誘いですが、滅相もありません。稽古をつけて頂くために伺わせて頂きます。道場を破るための剣術の鍛錬がまだまだ足りませんので、日々飲酒の訓練だけは欠かさないようにしている昨今です。
(先程飲んだ<ウコンの力>が明朝利いていることを祈るばかりです)
冗談はさておき、今日ある方と雑談をしていたら<管球式アンプは低域が甘くなる>というご指摘があって、ちょっと考え込んでいました。パワーアンプのことだと思うのですが、アルコールでは拭い去れない悩ましいアドバイスでした、、、
itsunire 2008/08/26(Tue)01:21:37 編集
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